シティホテルでの仕事
私は短期大学を卒業後、新卒でシティホテルに就職いたしました。
ホテルに就職をしようと思った理由はとってもありきたりで、物腰柔らかでスマートでかっこいいイメージのあるホテルスタッフへの憧れからでした。
幼い頃からキャビンアテンダントやホテルスタッフなどビシッと制服を着こなしテキパキと働いている姿に憧れを抱き、非日常の世界を感じていました。
その記憶が強く、どうしてもホテルに就職をしたかったのです。
ホテルでの面接
ホテルの面接内容をご紹介します。
面接で聞かれたこと
- なぜホテルで働きたいのか
- アルバイト経験について大変だった事
- それをどのようにして乗り越えてきたか
- 体力に自信はあるか
- ホテルではどの部署で働きたいか など
面接は集団面接でしたが、今でも大変印象に残っている事があります。
それは「アルバイト経験について大変だった事」を質問された時です。
私はこれまで大変だった事を正直に詳しく答えました。
その後、私の隣の志願者にも面接官が同じ質問をしました。すると、隣の方は「アルバイトで大変だった事は一度もありません!」と自信を持って答えたのです。
面接官の方は「本当に一度もないのですか?」と繰り返し聞いたにも関わらず、隣の方は「はい!一度もないです!」と言い張りました。
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その時、面接官から和やかな笑いがうまれ、私は隣の方が自分と間逆の答え方をした事への戸惑いと、こういう答えが正解だったのかと不安に襲われました。
しかし面接結果は二人とも採用だったのです!
面接の答え方には正解というものはなく、正直さや誠実さ、熱意や自信を持って答える事が何より大切なことだと思い知らされました。
就職が決まってから…
就職してからの研修は、最初の数日はオリエンテーションがあり、各部署についての勉強会をみっちり行います。
勉強会の内容
- ホテルの組織や各部門についてのしくみ
- 各部門の仕事内容や心構えなど
その後のオリエンテーション内容
- 宿泊部門研修一週間(ベル)
- 料飲部門研修一週づつ(宴会場、中国レストラン、洋食レストラン)
- 一部の各部門で実際に現場での研修
研修を終えた後、配属が決定しました。
私は料飲部門の中国レストラン配属となりました。
一日の流れ
11時半~14時
ランチタイム
7時半~22時
ディナータイム
22時~24時
バータイム
仕事内容
- テーブルセットや什器等の準備
- お客様のオーダーをお伺いしお料理を提供する
- 卓上メニューの作成
- 備品の発注等
その他にも膨大な量の仕事がありました。
それぞれ早番、中番、遅番と分かれています。
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ホテルでの大変なこと、嬉しいこと、身につくこと
大変な事は、まず時間が不規則なことと体力勝負という事です。
朝早くから出勤し深夜まで働くこともありました。
ホテルのテーブルやイス、お皿やグラスなどの什器は重量感があるので、それらを一日中ヒールのあるパンプスで歩き回って運ぶ事で体力は激しく消耗しました。
もう一つ大変だった事は、常に一流のサービスをしなくてはならないことです。
ホテルなので当たり前の事ですが、お客様にただサービスをするだけではなくお客様の期待を超越するサービスをしなくては満足はして頂けません。
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接待利用のお客様の場合は、ゲストの方を接待するためにホストの方のお手伝いをしなくてはいけないので、神経を遣ってグラスの空きやお料理の進み具合など、全てこちらからお声掛けをし提案をしました。
何かお祝いの際の席ではお客様の雰囲気を見て、お祝いのサービスをキッチンの方に頼み、良いタイミングでお祝いを提供させて頂いたりもしました。
そのように全神経を張り巡らせて常にお客様の手を煩わせない、お客様の期待を超越する事を意識し続けるのは、精神的に疲れてしまう事でもありました。
仕事をしていて身につくことは、礼儀やマナー、立ち居振る舞いが美しくなるということです。
テーブルマナーを学べますし、お料理を提供する際に片手を添えてそっと提供したり所作が綺麗になりました。
また言葉遣いや目配り気配り心配りも上手になります。
丁寧な敬語で話せるようになりますし、常に神経を遣う事で色々なことに気付いたり、思いやりを持って行動できるようになりました。
仕事をしていて嬉しかった事は、お客様から感謝の言葉を頂いた時や自分の接客で常連様になって頂けた事等です。
お客様が喜んで下さり心地の良い時間を過ごして下さった際は、大変な事もやってきて良かったと思う瞬間でした。
ホテル業の給料面
初任給は手取りで12万円という割に合わない非常に厳しい金額でした。
学校を卒業して初めて一人暮らしをした私にとってはあまりにも苦しいお給料で、貧乏生活の毎日だったことは明らかです。
不規則な日々によって少しづつ体調を崩すようになり、家と職場の行き来のみで普通の日常生活もままならない状態にまでなってしまったために、わずか一年半で退職をすることを決断しました。
三年は続けたかったのですが、身も心もボロボロのまま続ける事と、今退職を決断してゆっくり新しい生活を始める事と、未来のためにどちらが幸せかを考えた上での決断。
一年半という短い期間でしたが、私にとっては大変濃く長い一年半でした。
今でもその決断は間違ってはいなかったと思います。
それでもホテルで働いた時間がなければ今の私はいないというほどにたくさんの事を学ばせてもらいました。