小さなきっかけからアナウンサーになりたい!と心に決め、努力を重ねた結果、アナウンサーとして就職することができました。
アナウンサーになるまでの苦労は果てしなく、アナウンサースクールにも通いました。
アナウンサーを目指している方にぜひ読んでいただきたい内容になっていますので、ぜひご覧ください。
アナウンサーを目指したきっかけ
大学3年生になると始まっていた就活。
もれなく私も就活を開始し、IT関係のベンチャー、保険、弁護士事務所の事務員など分野に特にまとまりもなく無事に内定をもらうことができました。
その中からじっくり選ぼうと思った矢先、自宅で夕方のニュース番組を見ていると、自分と年齢があまり変わらない女性がニュースを読んでいました。
そのとき、こういう職業もあるか!とひらめいて、さっそく採用情報を確認。
「なんとしてでもアナウンサーという内定がほしい!」そう思った私はすぐにアナウンススクールに通うことを決め、バイトで貯めたお金でスクールに通うことにしました。
スクールに通うと、すぐに採用情報が入ってきて、幸運にも「私が放送という仕事でやりたいこと」というお題の小論文と履歴書を送ったところ無事通過し、スクールに入って1ヶ月半で地方局のアナウンサー試験を受けることになりました。
アナウンススクールではどんなことをするの?
医師や弁護士といった職業に就くには、国家資格の取得が絶対に必要です。
ところがアナウンサーという職業には、そういった絶対に必要な資格は存在していません。
最も現実的にはテレビ局にアナウンサーとして入るには、学歴による縛りはある程度存在していますが、アナウンススクールを出ていなければ採用されない訳ではないです。
実際にアナウンススクールを出ていなくても、抜けた実力を持つ人であれば採用されている事はあります。
ただしアナウンススクールのレッスンを受ける事により、アナウンサーとして必要とされるスキルを効率的に学んだり身につける事が出来るのも事実だったりします。
アナウンススクールでの主なレッスン内容
- 正しい発音やイントネーションを身につける
- 滑舌を良くする
といったアナウンサーに必要な基礎を固める事が可能です。
その上で、実際に原稿を読む際の読み方やスポーツや事件現場でのレポートの仕方といった実践的な内容を学ぶ事が出来ます。
同時に各テレビ局の採用試験対策といった、情報を得られる場所としてもアナウンサースクールは機能しているのです。
例えばこの放送局はこういった質問をされる事が多い、とか、採用試験の内容の違い等の情報収集を事前に行うのに役立ちます。
アナウンサーの採用試験は基本的に狭き門なので、事前に試験対策を行える点はかなり有利です。
アナウンススクールの種類
最も一言でアナウンススクールと言っても、大きく分けて3つのタイプが存在しています。
①各テレビ局が運営している放送局系のアナウンススクール
そのテレビ局に在籍しているアナウンサーが講師をする事も多く、憧れのアナウンサーから直に教えて貰える点が魅力的だったりします。
実践的な内容を学べるだけでなく、現役アナウンサーと関わる事でモチベーションアップにも繋げる事が可能です。
②芸能事務所が運営しているプロダクション系のアナウンススクール
プロダクション系のスクールの特徴はアナウンサーだけでなく、ラジオパーソナリティーやナレーター等の幅広いコースが設置されている点です。
スクールに通う事で芸能事務所に所属出来るケースもあるので、アナウンサーとしてだけでなく芸能人にも興味がある人にはチャンスを広げる事が出来ます。
③元アナウンサーが運営している独立系と呼ばれるスクール
基本的に少人数制でしっかりとレッスンを受けられるので、アナウンサーとしての基礎をしっかり身につけたい人におすすめ出来るスクールとなっています。
こういったタイプの違うアナウンススクールの中から、自分に適した所を選び出す事が大事です。
アナウンサーになるための試験内容
試験内容は面接と原稿読み。
面接では最初に自己紹介をし、質疑応答でした。
学生時代にがんばったこと、それで得られたこと、自分の弱みと強みを聞かれました。
そのあと3本ニュース原稿を渡され、5分下読み、そのあと試験官に言われたニュース原稿を読むという流れでした。
ニュース原稿は、その地方独特の地名や祭りの名前などが入っていたり、「古文書」など、いっけん「こぶんしょ」と読み間違いをしてしまうようなひっかけ語も入っています。(正解:こもんしょ)
合否はその日のうちに電話で告げられました。
倍率は高く、最初の小論文試験の段階でおよそ130人から30人まで絞られ、最終的に合格したのは私1人でした。
入局してからの研修は、先輩アナウンサーについてもらって発声練習と原稿読みをとにかく繰り返しやりました。
最初はアクセントに気をつけてゆっくりと。
そのあと時間を計りながら、時間内に読む練習をし、ラジオニュースからデビュー、いわゆる「初鳴き」をしました。
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テレビでの初仕事
研修をおよそ1ヶ月受けた後、お昼の情報番組を担当することになりました。
仕事内容としては、朝9時半ごろ出勤して、すぐにヘアメイク。
メールチェックや番組冒頭の挨拶の原稿を作った後、10時半ごろからリハーサル。
修正点を確認して原稿を作り直したり、下読みをします。
それから本番でした。
番組が生放送だったため、自分で時間調整をしながらやっていきます。
これが難しい。
最初の頃は時間内に収まらないこともあり、視聴者の方からお叱りのご意見をいただくこともありました。
時間を左右されるアナウンサーの仕事
番組が終わると、午後はラジオニュース。
ラジオを担当しないときには、番組のコーナーにあわせて、自分でカメラを持って取材に行くこともしょっちゅうで、自分で撮った素材を編集して出したり、ディレクター業務も兼務していました。
退局時間は、その取材業務次第ですが、早くて夜7時ごろ。
遅い時は深夜0時をまわることもありました。
でも自分で企画を提案し、取材して映像を撮る、またはカメラマンに撮ってもらう、そしてその素材を自ら編集したり、編集マンについてもらって編集作業に立ち会って一緒に作り上げていく楽しさはとても大きなものでした。
帰りが深夜になっても気にもならないくらい、24時間しかないということに苛立つくらいの楽しさがあります。
そして、その企画を放送し、いい反響があったときは、ずっとこの仕事をしていたいと何度も思いました。
その反面、取材がうまくいかないときや、自分が欲しい映像がとれなかったとき、あまり反響がないときは当然のごとく落ち込みます。
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アナウンサーの給料面
そして、この仕事で難しいことは、災害があったときです。
大雨や台風、今では地震がよく起こっていますが、そういったときの対応はとっさの判断と、冷静な情報整理が求められます。
自分が慌てていたら、視聴者が欲しい情報を伝えることができません。
だから緊急時の訓練は、正直面白くなくても日頃からしっかりやっておく必要がありました。
また、楽しい情報ばかりだったらいいのですが、悲惨な事故のニュースや、事件を伝えることもあります。
そういったとき、自分の感情を入れすぎないこと、入れなさすぎるのも変なので、そこの塩梅が難しかったです。
アナウンサーの給料事情
給料は意外かもしれませんが、時給でした。
ほかのアルバイトよりちょっといいくらい。能力によりましたが、だいたい1000円前後。
華々しい職業なのに、給料は寂しいですよね。
(有給はありますが、ボーナスはなく、待遇はあまりいいとはいえませんでした。)
私は5年間働きましたが、辞めたきっかけは出産です。
いわゆる産休や育休が取りづらく、妊娠したら辞めるという暗黙の了解がありました。
ワーキングプアや、育休の充実などをニュースで伝えるのに、伝える側は全く体制が整っていないという本末転倒な状況で、これがキー局や大きい局であればそういったこともないと思いますが、地方局ではこれが現実でした。
アナウンサーになるために必要な心得
アナウンサーになりたいなら、まずは正しい日本語と発音をきちんと身につける事が大切だったりします。
アナウンサーは正しい言葉遣いでしかも分かり易く正確に、視聴者に情報を伝えなければなりません。
タレントの場合は間違った言葉遣いや変わった言い回しが売りになる事もありますが、アナウンサーだとそうはいかないです。
特に視聴者にとって重要な情報を誤った形で伝えて広めてしまうと、重大な問題に発展する恐れがあります。
なのでアナウンサーになるには、正しい言葉遣いをきちんと使える様になる必要があるのです。
アナウンサーとして必要なこと
様々な国の言語の習得
アナウンサーという立場だと、日本人だけでなく外国人とコミュニケーションを取る機会も多くあります。
だからこそ日本語だけでなく、英語や中国語、フランス語等の外国語も習得しているのが望ましいです。
自分のキャラクターの確立
アナウンサーになるには、自分のキャラクターを持つ事も大事だったりします。
災害や殺人事件といった深刻なニュースを伝える際には、淡々と正確に伝える事を意識しなければなりません。
ですが明るい話題を語る時や、アナウンサーとして番組の顔になる時はキャラクターが必要となります。
実際に毎年、アナウンサーの人気ランキングが発表されたり、バラエティ番組の司会をしたり、アナウンサーにタレント性が求められるケースは少なくないです。
ただ淡々とニュース原稿を読めるだけでなく、明るさや親しみ易さを感じさせるキャラクターをアピールする事も大事だったりします。
各自の体調管理
アナウンサーになるためには、きちんとした体調管理が出来る事が大事です。
というのもアナウンサーの仕事は、午前4時といった早朝からの仕事だったり、逆に深夜2時や3時まで働くといった仕事が入る事が珍しくなかったりします。
一般の仕事よりもかなり時間が不定期で、極端な時間帯の仕事も多いです。
だからこそ勤務時間も不規則になる事が多いだけに、体調を崩さない様にきちんと管理する事が大切だったりします。
そんな健康面の自己管理に加え、私生活の管理もきちんと行わなければなりません。
前記した様にアナウンサーは人気商売なので、基本的にスキャンダルは御法度です。
私生活でだらしない姿を見せない様に、きちんと自己管理する事が求められます。
加えてアナウンサーには、精神的なタフさも求められる職業です。
アナウンサーはスタッフだけでなく、カメラの向こう側にいるとんでもない数の人にニュースや情報をきちんと伝える責任があります。
しかも生放送で急遽伝えるべき情報が入る事もあり、かなりのプレッシャーに晒される事も多いです。
そんなプレッシャーや緊張に負けずに視聴者に伝えるべき情報を、正確に伝えるタフさが必要となります。