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学生時代の思い出といえばアルバイトを挙げる方も多いでしょうが、私の経験はあまり楽しいものではありませんでした。
華やかな百貨店のケーキ屋で働いていたものの、厳しい先輩に怯えながらの日々や、奇妙な出来事が続いていました...
そのような体験をお話ししますので、ぜひ興味を持ってご覧いただければと思います。
目次
ケーキ屋でのアルバイト体験
大学生の頃、まだ20歳の若者だった私は、お金が必要で興味本位から大手百貨店のケーキ店でアルバイトを始めました。
友人が以前働いていたこともあり、安心してスタートしましたが、実際にはかなり厳しい環境でした。
職場は女性が多いのが特徴でしたが、その点については特に気にしていませんでした。
女子大に通っていたこともあり、女子高出身の私には全く抵抗がなかったのです。
周りの人たちは優しそうで、私は楽観的に働き始めました。
挨拶を終え、先輩方から仕事を教わり、覚えることがたくさんありましたが、なんとか頑張ろうと奮闘していました。
ある時「クリスマスが繁忙期ですよね。それまでに一人前になれるように頑張ります」と私が言うと、先輩がこう呟きました。
「それまで続くかねぇ。。ふふふ。」
その瞬間、正直なところ、その一言でこの職場が危険なのかと背筋が凍りました。
しかし、もしかしたら先輩のブラックジョークかもしれないと思い、その言葉を気にせず流すことにしました。
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休みが取れない&厳しいノルマ
働き始めて間もなく、私は腹痛に襲われました。
食品を扱う仕事のため、休むしかないと思い職場に電話をかけたところ、代わりの人を見つけなければ休めないと厳しく叱責されてしまいました。
そのケーキ屋にはグループLINEがあり、代わりの人を探すにはそこで誰かに頼む必要があるとのことでした。
しかし、新人の私にはシフトを代わってくれる人が見つからず、腹痛を抱えながらも何とか出勤しました。
社員たちの冷たい視線を感じながら仕事をこなしましたが、その日の帰りには足元がふらついていたことを今でも鮮明に覚えています。
結局、腹痛は翌日には治りましたが、飲食業で腹痛の人間にケーキを詰めさせるのはどうなのかと疑問を感じつつ、どこも人手不足だから仕方ないのかと若い私は働き続けました。
後日、先輩からはシフトを代わってくれる人を見つけても、肩身が狭くなるからLINEでお願いしない方が良いとアドバイスされました。
つまり、絶対に休むことは許されないということです。
ケーキ屋の厳しいノルマ
ケーキ屋では、ケーキの販売に加えて焼き菓子ギフトのコーナーが設けられていますが、これが非常に厄介な問題を引き起こします。
経験豊富なアルバイトは、売上のノルマを課せられ、達成できないと社員から厳しく叱責されることがあります。
まだ新人の私には直接の影響はありませんでしたが、時折、ベテランの先輩が緊張した面持ちで働いているのを見かけ、その理由が理解できました。
このような状況から、私は次第にこの職場に対して違和感を抱くようになっていきました。
効率の悪い仕事工程で失敗の連続
仕事内容
ケーキを詰めたりバースデープレートにチョコペンでメッセージを書いたりする仕事
ケーキの詰め方は種類によって異なり、工場で製造されたものと、売り場のすぐ裏で仕上げられるものがあります。
特に問題なのは、バックヤードで仕上げるチョコレートケーキに関して、特別な包み方が求められることです。
この作業は非常に難易度が高いのです。
変わった形の箱に詰める必要があり、その形状がチョコレートケーキにとって非常に傷つきやすいのです。
箱自体が機能的でないことも大きな問題ですが、新人スタッフはこの特殊な箱にチョコレートケーキを包む際、80%の確率でケーキを傷めてしまうのです。
パティシエさんへの謝罪行為
問題はその後にあります。
そのチョコレートケーキを台無しにしてしまった場合、バックヤードにいるパティシエの方にそのケーキを持って行き、「申し訳ありません。私がこの◯◯を壊してしまいました。」と深く頭を下げて謝る必要があります。
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私は1日で最高3個も失敗してしまい、3回も心から謝る羽目になりました。
最初に持って行った時、パティシエの方に「本当に気をつけてくださいね」と厳しい目で見られ、2回目には「これを作るのは本当に大変なんだから、もう勘弁してよ」と叱責され、3回目には「あなた、大丈夫なの?」と冷たい視線で問いかけられました。
この箱をどうにかできないものか、ケーキの形を変えることでこの悲劇を回避できるのではないかと考えながら、ただひたすら頭を下げるしかありませんでした。
私は決して不器用ではないのですが、それでもプレッシャーの中で3回も続けて失敗してしまったのです。
しかし、そんな経験を経て、そのチョコレートケーキの包み方は日々上達し、ついには壁を乗り越えることができました。
奇妙なレジ誤差騒動
仕事の難しさは徐々に克服してきましたが、ある出来事が私を不安にさせました。
大手百貨店で働いているにもかかわらず、レジは手動で、お釣りも従業員が手で渡す仕組みです。
レジを習い始めたばかりの私は、先輩の指導のもとで練習を重ねていましたが、なぜか私がシフトに入る日は必ず大きなレジ誤差が発生してしまうのです。
百貨店の営業は21時に終了し、22時までに閉店作業を終え、終礼を行いますが、私が最後まで残る日には必ず1万円以上の誤差が出てしまいます。
そんな日には、社員が終礼の際に「今日は新人もいたし、混雑もあったので、誤差が出たのかもしれません」と言ってくれますが、その時の私は本当に胃が痛む思いでした。
陰湿な嫌がらせ
何度も確認しているのに、私が間違っているのかもしれないと不安になりながらレジを打ち続けました。
しかし、私がシフトに入る日は必ずレジの誤差が発生していました。
その頃には、私もレジ操作に少しずつ慣れてきたため、社員たちが私に疑念を抱き始めました。
この店には泥棒がいるのだろうか、私が働く日だけに限って起こるのだろうか。
不気味な思いを抱えながら、辞めることも考え始めた私に、やがて辞めるきっかけとなる出来事が訪れるのです。
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気味の悪い事件で退職を決意
従業員の私物は狭い小部屋にまとめられていました。
その中に私の飲みかけのペットボトルがあったのですが、いつの間にか無くなっていました。
不思議に思いつつも、どこかに落ちているのかもしれないと考え、特に気にせずに休憩後に再び小部屋に荷物を置きました。
仕事を終えて小部屋に戻ると、私の飲みかけのペットボトルが無造作に置かれていて、なんだか気持ち悪く感じました。
捨てようと手に取った瞬間、気のせいか中身が少し減っているように思えました。
恐怖を感じた私は、そのまま飲まずに駅のゴミ箱に捨て、翌日他の従業員にこのことを尋ねることにしました。
数人に話をしたところ、「気のせいじゃない?」と言われ、結局は落ちていたのを誰かが拾ってくれただけだろうと納得し、仕事を続けることにしました。
退職を決断
ある休憩時間、私の予備のメモ帳が消えてしまったのです。
別の日には、ハンカチやボールペンなど、ほんの小さな物が次々と荷物から姿を消していました。
いくら私がうっかり屋でも、ここまで物を失くすことはないだろうと不安になり、退職を決意しました。
失くした物が戻ってくることはありませんでした。
退職時には店長に激しく叱責されましたが、なんとか退職届を渡して辞めることができました。
辞めた後も、しばらくは電話がかかってきて、留守番電話には怒鳴り声が残っていましたが、1ヶ月も経つと静かになりました。
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私が辞めた後でも続いたレジ誤差&盗難
先輩の中にはあまり気が合わない方もいましたが、少し仲良くなった同僚もいて、その子から時折ケーキ屋の最新情報を教えてもらったりしました。
私が退職した後、実は物が無くなるという事態が何人かの従業員に起こったようです。
新人が入ると、レジの誤差も発生することがあるそうです。
誰がそのようなことをしていたのか全く分からないまま、私が辞めてから一年後にその店は百貨店から姿を消しました。
スタッフたちは別々の店舗に振り分けられたと聞いています。