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医師になるには?現役の医師が紹介する国家資格合格まで・仕事でのこと

医師になるためにはどうしたらいいのか?

ここでは、現役の医師が医師になるために頑張ったことや医師の仕事で大変なことなどを紹介しています。

医師志望の方はぜひチェックしてみて下さい。

医師になろうと思ったきっかけ

はじめに、医師を目指すきっかけについてお話したいと思います。

広島生まれ、広島育ち、カープファンの私の父は消化器内科の医師で、毎日仕事に明け暮れていました。

仕事から帰ってくるのが遅く大変なイメージが強かったです。

記憶が曖昧な部分もありますが、そんな父の背中を追いかけて医師を志したのがきっかけでした。

 

また、高校は地元でも有名な進学校に入学していたため、周囲も医学部を目指す同級生が多くいたことも影響していたと思います。

しかし、医師になってこれがしたいという明確なビジョンはまだ持っていませんでした。

それでも、「一生の仕事としてやりがいがありそう」という気持ちはありました。

 

私の友人の中には、身近な人の病気・けがに対する医師の対応に触れたことや、自分の病気・けがに対する医師の対応に触れたことなど、実際に働く医師の姿を見たことがきっかけになっている人は少なくないようですが、実際のところは親が開業医など、医療職についている人が圧倒的に多かったです。

したがって、そういった同級生の状況も考慮しますと、一般的に医師を心ざすきっかけとしては自身の家族や親戚の影響は大きくありそうです。

 

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医師を目指すために行ったこと

医学部を目指す上での紆余曲折についてお話ししましょう。

高校2年の進路希望で医学部を目指すことにしました。

しかし、その時はまだ学校の成績は真ん中くらいでした。

予備校で実施された模試では、当時志望していた国公立大学医学部の合格判定はDランク(下から2番目)と燦々たる成績でした。

今思えば、ここからよく挽回したなと我ながら関心します。

 

高校3年の春に部活を引退した私は、予備校には行かず自宅でひたすらに得意の数学の勉強をしていました。

志望大学は理数系(数学、物理、化学)重視の配点でした。

そこで、得意の理数系を徹底的に伸ばすことにしたのです。

高校3年の夏はおそらく毎日10時間ほど勉強していたと思います。

苦手な国語は最低限の勉強しかしませんでした。(当時の)センター試験では国語はおそらく平均点レベルで燦々たる結果でした。

 

しかし、数学2科目と理科2科目で満点パーフェクトと言う最高の結果を叩き出し、その勢いで2次試験を突破、晴れて医学部に合格することができました。

当時は夜2時くらいまで勉強することが珍しくありませんでした。

その影響か不眠症に悩まされていました。

大学に入学してからはすっかり不眠は治っていましたので、自分の体に負担がかかっていたことは間違いありません。

そういったところを考えますと、やはり、簡単な努力では難しい職業なのだろうと思います。

 


医師になるために必要なこと

まずは医学部に入学し、さらに医師国家試験に合格する必要があります。

医学部は定員が全国的に制限されており、かつ年々志望者が増え、やや難易度が上がっているようです。

医師国家試験の合格率は90%弱と言われておりそれほど難しい試験では無いのですが、一度落ちて浪人すると、合格率はさらに下がるようです(何年も国家試験をクリアできない同級生もいます)。

したがって、十分な学力を全ての教科において要求されます。

地方大学の医学部は東京大学の理科三類以外と同等レベルと言われています。

 

国家試験の通過ということを考えますと、やはり勉強が必要ですが意外と必要なのは人脈です。

どういうことかと言うと、卒業試験と言うのが大学に設けられています。

いわゆる卒論と言うのは無いのですが、大学によっては卒業試験のハードルを高くすることで、国家試験の合格率をあげようと企む大学も多いです。

 

国家試験合格率は大学の評判に関わるからです。

特に私立大学ほど厳しい傾向があるようです。

卒業試験はほとんどは過去問から出題されますので、先輩からの復元問題をインターネット上で共有し、試験対策として活用していました。

情報にあぶれると、試験をクリアできる確率は大きく下がってしまいます。

なので極端なコミュ障の場合、ここでつまづく可能性があります。

勉強ばかり出来ても、完璧では無いと言うことでしょう。他職種との関わりが避けられない仕事ですから、人付き合いが得意な人ほど出世する可能性が高いように思います。

他の仕事にも共通して言えることかもしれません。

 

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医師になってからのこと

ここまで真面目なお話が続きましたので、ここで少しブレイクを挟みたいと思います。

怪談話になりますので苦手な方は飛ばしてください。

ある地方の総合病院で勤務していた時の話です。あるフロアの病棟は、心臓疾患の急性期病棟で、治療中に亡くなってしまう患者さんも珍しくありません。

ちょっと年季の入った建物で、少し雰囲気があるのです。

ちなみに、この病院、私が赴任する少し前に患者さんが屋上から飛び降り自殺してしまったそうです。

 

その病院で働いていた、知り合いの看護師さんから聞いた話です。

深夜、病棟を巡回していた時でした。エレベータを待っていたのですが一向にのぼって来ない。

ランプは1Fに止まったまま、動く気配がありません。

5分ほど待ってはみたのですが、あきらめて階段で降りることにしました。

3階分ほど過ぎたあたりで、強烈な違和感を感じました。スニーカーなので靴音は小さいはずなのに、妙に音が響くのです。

注意しながら降りてみると、靴音が多い足音と少しずれたテンポで、もう一つ足音が聞こえた気がしました。

階段への扉があいた音は記憶にないし、周りに人の姿はどこにもありません。

気のせいだと思いつつも、気味が悪いので駆け足になります。

そうしてスピードがあがると自分の足音も大きくなりますが、その内に、もう一つの足音もハッキリと聞こえるようになりました。

半分ほど降りたあたりからは、もう明らかにスニーカーではない固い靴音が カン、カン、カンとすぐ隣で響いていました。

パニックになりつつ、とにかく足を早めて何とか下までたどり着きました。

最後の一段を駆け降りようとしたその時です。

はっきりと足音を響かせ、目に見えない「誰か」が笑いながら脇をすりぬけていきました。

女性か子供のような、高い声だったそうです。

 

その他にも、廊下で見た、エレベータで見た、声を聴いた、肩を叩かれた、上半身だけで彷徨っている患者さんの幽霊をみたと、体験談が後をたたないようです。

病院には様々な人の後悔や、未練、怨念が彷徨っているように思います。

私自身ははっきりと見たことはありませんが、やはり不思議な体験はいくつか経験がありますし、長く医療業界に勤めていると体験している場合は少なくないようです。

私も知らない病院の当直バイトに行くのは時々怖い気分を味わうことがありましたので、最近は避けています。

以上、夜の病院の恐怖体験のお話でした。

 

医師の仕事で大変だったこと

仕事を続ける上で大変だったことは本当に数えきれないほどたくさんあります。

まず、医師の仕事は診療科によって違いはありますが、一般的に多忙です。

勤務医であれば、外来業務や病棟業務、手術や診断書の作成など、仕事は山ほど抱えています。

 

特に急性期病院では患者さんが入退院を繰り返しますので、病院の経営は向上しますが、実際に働いているスタッフは多忙です。

特にコロナウイルス感染症が蔓延している昨今では、医療従事者は常に感染のリスクがつきまといます。

医師には応召義務というものがあり、患者の求めがあれば診療を行う義務があります。

 

したがって、コロナウイルス感染の有無がわからない時点で対応を迫られます。

のちに患者の感染が判明した場合は濃厚接触者と判定されて自宅に帰れずホテル暮らしを迫られた同僚もいます。

 

そんな状況ですが、昨年のボーナスは病院経営の悪化のため大幅なカットを食らいました。

はっきり言って医療従事者の負担は理不尽なほどに大きいです。

 

そんな中嬉しく思ったのは、やはり病気が治って感謝の言葉を頂いたときです。

そんな時は疲れも吹っ飛んで頑張ろうと思う気持ちになります。

そういった変化に喜びややりがいを見出す人が多いと思います。

 


医師の給料・休日

さて、ここでみなさんが気になっておられるでしょう給与面のお話をしましょう。

当然ではありますが、職歴が長くなると、給料面ではかなり向上します。

私は卒後10年を迎える年齢です。

 

地域差はありますが勤務医では1000-1500万円前後が多いのではないかと思います。

外勤のアルバイトでさらに稼ぐ人もいます。

当直アルバイトの場合、日給30,000~100,000円が相場です。

時給換算では3000-4000円ほどです。

 

健康診断では日給30000-70000円が相場で、勤務時間は4-6時間ほどが多く、時給換算では10,000円となります。

70,000円/日の健診アルバイトに月3回行くとすると、70,000円 × 36回 = 252万円ですから、年間で252万円の副収入を得ることができます。

 

休日面は一般的に週休2日ですが、オンコール(急患の緊急手術の際に病院に招集されることに備えた自宅待機)や当直業務があればほとんど休みが無いこともあります。

開業医は勤務医よりも収入が多いですが、開業までのコストが大きくかかることと、最近は地域によって開業に制限が多くかかるようになっており以前よりデメリットが多くなっているようです。

 

それでも、今でも40代で開業に踏み切る医師は多いです。軌道に乗せることが出来れば2,000万円以上の年収を得る事も可能なようです。

眼科で3000-3500万円、小児科で3000-3300万円、耳鼻咽喉科で3,000万円ほどと言われています。

生活水準をさらに上げたい、キャリアアップを図りたいと考えて、院長候補のクリニック求人など、役職としての転職を視野に入れるケースが多いです。

 

さらに、過疎地や離島など医師不足が深刻な地域では、医師獲得のために年収2,000万円以上を提示している高額求人もあるようです。

このように、医師は他職種と比較すると高収入であることは間違い無いでしょう。

また、多忙な仕事ではあるのですが、うまく仕事をこなして休日は趣味に勤しむ人も中にはいるようです。

以上、私の仕事について紹介させていただきました。進路に悩む人の参考になれば幸いです。


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