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治験コーディネーターとは、医療機関・製薬会社・患者様の間に立って、治験に関するサポートを行う仕事です。
薬剤師の資格所持者が活躍していることも多く、医療関係の仕事の中で注目されている職業の一つです。
治験コーディネーターになるために必要なスキルやどういった仕事をしているのかもご紹介していこうと思います。
目次
ビジネススキルを伸ばすべく治験コーディネーターの道へ
6年制大学を卒業後、薬剤師免許を取得しました。
薬剤師の就職先の選択肢として、
- 調剤薬局
- ドラッグストアー
- 病院
などがありますが、どの仕事も専門知識以外のビジネススキル、例えばメール作成や英文翻訳、資料作成能力等はあまり伸ばすことはできないと感じていました。
仕事の中で、関わりのある職種も限られています。
人との関わり合いが重要
元々医薬品の開発に興味があり、薬剤師の資格を活かせて実際に患者さんとコミュニケーションをとれる職業を探していました。
その中で治験コーディネーターの仕事なら、専門知識も活かすことができ、また様々な職種の専門家とも関わることができます。
その上自分のビジネススキルも伸ばすことができると思い、就職しました。
医薬品開発には様々な段階があり、この仕事はその最終段階で、開発された医薬品を試験する部分に関わる重要な任務があります。
副作用や薬の効果を実際に使用する段階でリサーチすることで、データ上のみでなく実感することができると感じたので選びました。
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治験コーディネーターに必要なスキル
基本的に資格は必要ありませんが、持っていると有利です。
例えば、薬剤師、看護師、医師、獣医師、栄養士、臨床検査技師の資格を持っている仲間が多く活躍している現場です。
免許を所有していることで専門的な知識があると見なされ、医療機関での信頼性につながると考えた私は、6年大学に通い国家試験に合格するまで日々勉強に励み、努力しました。
就職活動ではコミュニケーション能力が問われるため、情報収集は欠かせません。
面接において聴取される内容は他の職種と大して変わりませんでしたが、職種についてよく理解していることが大前提でしたので、最新の情報や実際に働いている人に聞くなどしてリサーチし、面接に挑みました。
資格を持っていることで就職活動にはあまり苦労はしませんでしたが、英語の勉強はあまり得意ではなかったので、過去に得た知識を思い出すところから始まりました。
専門的な知識が必要な分野なので、日々勉強する心構えが必要です。
また、医師や看護師と患者さんの間に入り、予定を調整する能力が重要となってきます。
医療機関のみならず、仕事を依頼されるクライアントとも密に連絡を取り合う必要があるため、円滑に業務を進めるためにはコミュニケーション能力も大事です。
メインは事務仕事
よくある質問としては、この職種は実際に医師や患者さんと接することが主な仕事であると思われがちですが、実際は事務仕事が多いです。
クライアントとメールのやり取りをしたり、パワーポイントで資料を作成したり、パソコンでの作業が多いので、WordやExcelなどの基本的な操作ができるとスムーズなやりとりが可能です。
また、医療機関でカルテを見ながらデータを入力するので、カルテに書いてある情報の中から必要な情報を取り出すための知識が必要です。
医師の作成するカルテは医療英語で構成されることが多いです。
専門用語などはWebで調べれば簡単に出てきますが、毎回調べるにはかなりの労力と時間が必要です。
よく出てくる表現などは記憶しておかないと、医師との会話が成り立たない可能性があります。
何回も調べるうちに覚えるものですが、扱う分野が多い場合には柔軟な対応能力が必要で、医療機関のスタッフや患者さん、クライアントに不信感を抱かせないためにも正確に仕事を処理する能力は必須です。
英語能力も必要なスキル
また近年は海外のメーカーと合同で実施する医薬品の試験も多く、英語が扱えることが必須となっている企業もあります。
基本的な医療英語の読み書き、また文章を作成するにあたって使用できるツールなどを知っておくことは強みになります。
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治験コーディネーターとして就職した時のこと
中途採用、新卒採用ともに研修で基本的な業務の進め方やルール等を学びます。
企業によっては、専門知識が無い人向けに追加で研修をしているところもありました。
医薬品の開発に携わるにあたって厳守しなければならないルールがとにかく多いので、都度再確認することが重要と学びました。
就職してからも勉強は欠かせない
医療の業界では情報は常にアップデートされており、日々の勉強が必要であることを再確認しました。
実際に医療機関に派遣された後は、円滑に業務が進むよう、工夫しながら業務に取り組みました。
基本的にやるべきことは決まっていますが、クライアントの要求に迅速に対応するためには、調査方法を案件によって変更することや、効率的な方法を編み出す必要があります。
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また、通常業務で忙しい医療機関に、追加の仕事を依頼することは医療機関のスタッフにとってかなりの負担となってしまいます。
実際に医療行為をすることは禁止されているので、そのルールの中で自分たちがどう動けば通常業務を妨害しないか、考えて提案し、了承を得ることで円滑に業務を進められる体制を整えることが重要なポイントでした。
所属する企業のルールに従って就業することは当たり前ですが、そのほかに医療機関のルールに従うことが大前提となります。
派遣される医療機関が多ければ多いほど、各ルールを覚えて行動する必要がありました。
時には理不尽なことを要求されることや、交渉も必要な仕事ですが、患者さんやクライアント、医療従事者に感謝されることも多い職業です。
また仕事を通じて、専門外の分野でも知識が増えていくことに日々成長を感じることができました。
なにより自分が関わった仕事が、将来の医療に貢献する可能性があることにやりがいを感じます。
治験コーディネーターの大変なこと
実際に未承認の医薬品によって、患者さんの病気が改善していくことが何よりの喜びでした。
扱う医薬品が、治療の最終手段として選択されることもあり、効果がみられると医療スタッフ、患者さん、同業者、皆で喜びました。
患者さんが納得のいくような説明をする
通常、医療機関のスタッフは忙しく、一人一人の患者さんと向き合うのに時間をとるのが難しい時もあります。
そんな時、自分が間に入って内容を説明したり、患者さんの話を聞いて不安な気持ちに耳を傾けたりすることで、患者さんに感謝される場面も多かったです。
実際に未承認の医薬品を使用することは、患者さん自身にとって効果に期待する半面、不安に感じる気持ちも大きいようです。
患者さん本人のみならず、患者さんのご家族にとってもそれは同じことで、時にはご家族に対しても説明を依頼されることも少なくありません。
難しい専門用語をわかりやすく説明することは、時には難しいと感じることもありました。
医薬品の臨床試験には、その効果を期待して参加してくださる方が多いのですが、リスクに関してもしっかりと説明を行い、理解を得ることが重要です。
時にはその医薬品により副作用が生じることや、効果が全く現れないこともあります。
重篤な副作用が出現した場合には24時間以内に報告を行う必要もあり、英語による報告書を作成するなど大変な面も多かったです。
企業に所属する立場としては、企業の利益も考える必要があります。
医療機関における医薬品開発試験の実施状況を報告する会議が定期的にありましたが、担当案件の進捗が滞っていると、その理由について検討しなければなりません。
そもそも試験の対象が稀な案件の場合は進捗が悪いことが多く、医療機関に対するアプローチを再度構築する必要がありました。
自分の経験上対処できないと感じたときは、同じ案件を扱っている社内の別の支店の担当者に掛け合うことや、医療機関のスタッフに調査を依頼するなど多方面にアプローチしなければいけないことが大変だと感じることもありました。
多方面からの問題は協力して解決を
日々膨大なデータを扱う中で、期限間近にクライアントからデータ修正依頼を受けることも多々ありました。
医療機関の通常業務の中で、医療スタッフに依頼した仕事が正確にこなされていないこともありました。
クライアントと医療機関の間に立つ立場として、問題点を指摘されることも多く精神的に追われることも多い仕事だと感じています。
チームで仕事をすることで、一人で抱え込むことが少ないのが救いでした。
誰のミスでも、すぐにサポートしてくれる仲間がいる環境で業務ができることが重要だと感じています。
治験コーディーネーターの待遇面
所属する会社は土日休みですが、派遣される医療機関により異なり、医療機関によっては、土曜出勤で平日休みの可能性もあります。
週休2日制であることには変わりありません。
時には、休日に出勤することもありますが代休や有休もあります。
専門知識の実績があれば昇級可能
資格手当もあり、キャリアを活かして新しい資格を取得することも可能です。
キャリアや所有資格によりますが、年収400万以上は見込める職業です。
経験によりそれぞれスタートは異なりますが、担当の分野が増えたり、特に専門的な知識が必要な分野で活躍すると昇給もあります。
緊急連絡が入る場合もある
勉強会等で出張することもありますが、移動費や宿泊費、参加費は会社やクライアントから補助が出るため基本的に負担することはありません。
また、企業で働くコーディネーターの場合は、社用携帯を貸与されます。
社用携帯には24時間患者さんや医療スタッフから連絡が入る可能性があり、急いで医療機関やクライアントと連絡をとらなければならないこともあるため、休日でもあまり気を抜くことができません。
しかし、基本的にはチーム体制で業務を行うため、自分が対応できない時にどうするか予め決めておくことが多いです。
自分に連絡が取れない場合の第二、第三の連絡先を患者さんや医療機関、クライアントに伝えておくと安心です。
基本的に業務量を自分で調整できるため、残業をしないことも可能です。
しかし、案件には必ず締め切りがあるので締め切り間近になるとデータ入力が追い付いていない場合は残業をすることもありました。
扱う情報は機密情報であり医療機関から持ち出してはいけないため、メールチェックや電話対応以外のリモートワークは基本的にできません。
企業に所属する場合は以上の通りですが、病院で勤務するコーディネーターはまた違うルールや、制度に従って業務を行っています。
治験コーディネーターという職業の存在や、医療において重要な仕事だということを知っていただけたら幸いです。