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薬の専門家として薬に関しての知識を網羅している薬剤師。就職先も幅広く医療関係の職には大変有利な資格です。
貴重な職業だからこそ良いお給料はもらえますが、それだけ知識は広くないといけないですし、日々新しい薬も開発されていきます。
薬剤師を目指している方、薬学部に入ろうと思っている方も、今後の参考にしていただけたらと思います。
私が薬剤師になろうと思ったきっかけ
私は高校時代から理系科目が好きで、大学も理系の学部に進学しようと思っていました。
しかし、何を学びたいかは漠然としていて、ただ単に有名大学に進学しようとだけ考えていました。
その思いに対して当時の高校の担任の先生からは「それはダメだ、学びたい事を考えなさい」と言われ、浮かんだのが「薬学部」だったのです。
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薬は身近な存在であり、知識があれば日常生活から役立てる事ができますし、家族や友人が薬の事で分からない事があった場合に薬の飲み方について教える事ができます。
また、世の中の薬がどのようにしてできているのか興味を感じたため、薬学部を志すことを決めたのです。
無事に薬学部へ合格し大学で勉強しましたが、薬学部の進路にはいくつかあります。
薬学部の主な進路先
- 研究職
- 公務員
- 病院薬剤師
- ドラッグストア薬剤師
- 調剤薬局の薬剤師
- 教員
最初は、大学院に進んで製薬会社の研究職になろうと思っていました。
というのも、私は国立大学に進学していましたが、多くの教員が研究者になるように言っていましたので、なんとなく大学院まで進んで研究の道へ行こうと考えていたのです。
しかし、研究職に配属されてからは毎日同じ空間で実験ばかり行う日々に楽しさを感じにくくなり、私には接客の仕事の方が好きだと感じました。
これらの連続したきっかけが現在の薬剤師という職に繋がっています。
薬剤師になるための国家試験
科目ごとに試験があり、合計点数が6割5分あれば合格ラインです。
試験科目
- 法律
- 薬に関する知識
- 患者の病態と薬を結び付ける知識や判断を問う問題
マークシート式です。
しかし、一つの科目であまりに点数が低かったり、倫理上問題があるとされる回答を繰り返すと一発不合格になる設定もありますのでバランスよく勉強する必要があります。
私立大学は有利?
私立大学では国家試験勉強のサポートが国立よりかは手厚いです。
国家試験の合格率の高さをアピールできれば、その私立大学に入ってくれる学生も増えると考えるからです。
講義で習った内容を教科書で勉強し直すよりかは、まずは過去問をひたすら解いて問題の特徴をつかみ、答えを間違えたところを教科書で見直す手段が有効でしょう。
過去から出た内容の問題が毎年何割かは出題されますので、やみくもに勉強するよりも結果に結びつきます。
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自分流の勉強法で暗記
また、国家試験対策の講義では予備校講師が早覚えのゴロ合わせを沢山教えてくれます。
ゴロ合わせにはとことんお世話になりましょう。
国家試験で1年の人生が決まると言っても過言ではないので1点でも欲しいです。
自己採点の時は緊張のあまり血がひけたのか両手が紫色になりました。
国家試験は、一つの科目で赤点を取ってしまう足切りに注意してバランスよく準備しましょう。
あえて言うとすれば、漢方薬や生薬の問題は毎年難問でかつ出題数も少ないので捨てる人が多いです。
薬剤師の資格を取得して
正直な所、薬剤師免許を取ったからと言ってすぐに現場の薬局で調剤、患者への薬の説明と行っていく事はハードルが高いです。
患者への説明や病態の聞き取りが比較的簡単な薬から実戦を積んで徐々に現場で幅広い対応が出来るような戦力を高めます。
また、新しい薬は年々登場しており、医療の常識も変化します。
新しい情報を知り続けていかないと仕事を適正に行えないため、薬剤師になってからも勉強は引き続き必要です。
保険薬剤師
また、薬局薬剤師の場合ですが、薬剤師になってから「保険薬剤師」としての勉強が必要になります。
保険薬剤師として学ぶこと
- どのように医療行為から点数(患者にとっての負担金額)を計上するか
- 薬代の計算方法
- 調剤する上での処方日数制限
大学では学ばないけれども現場では必要不可欠な知識を学び、そのルールに基づいて業務が求められます。
医師に処方内容の確認を行う際に用いる「疑義照会」も、大学でも学ぶ事はありますが現場に入ってから多く触れる事になります。
他の医療機関との連携やコミュニケーションも薬剤師としてだけでなく、一社会人として行えるようにならないといけません。
管理薬剤師
そして薬剤師になってから数年経過すると管理薬剤師に任命されると思います。
管理薬剤師の役割
- 薬局のリーダーとしての状況判断
- 調剤過誤を起こしてしまった際の判断と部下への指示
- 各医療機関との関係構築
- 薬局としての売上増の対策
など幅広い業務を担います。
薬局は医療機関ではありますがボランティアではなく利益を出さなくては行けない民間企業です。
ここ数年は「対人から対物へ」が国が求める薬局のテーマとなっており、ただ単に薬を渡すだけでは利益が取れない流れが続きます。
患者が現在他に飲んでいる薬、飲み残している薬、より副作用に対して慎重にならなければいけない薬、…それらを確認の上、適正な対応を行えば算定できる(つまり、売り上げに計上できる)点数がいくつか存在しますが、国が定める調剤報酬を多く算定できるよう、患者へはしっかり服薬指導を行い、算定できる点数もしっかり取っていかなくてはいけません。
この事が、ただの金儲け、ではなく患者の飲む薬に対する安全性の向上に繋がります。
このように、薬剤師になってからは現場ごとに即した知識、そして薬局のリーダーとしての業務がステップアップしていきます。
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薬剤師の給料面・休日面・待遇など
給料面
私は調剤併設型ドラッグストアの勤務ですが、日本全国のドラッグストアでは大体初任給で30万円は超えます。
6年大学で勉強している事を踏まえても、他の職種に比べて高額と思います。
また、企業によっては一人暮らしによる勤務であれば住宅手当が月5万円近くの相場で着くところもありますので、家賃負担が大幅に減少する待遇であれば額面上かなり高額です。
休日面
休日の日数は企業によりますが、労務がしっかりされている企業であれば週休2日ペースで休みを確保できます。
雇用形態のはっきりしない個人薬局へ就職する際は、労務がいい加減な事もあるので、休日や給与面が不安定になる事も無くはないですので、就職する際はよく検討した方がいいでしょう。
上場企業や大手チェーンであれば企業コンプライアンスがしっかりしているはずですのでより安心です。
また、就職しても処方箋調剤が全くできない店舗に配属されたり、処方箋枚数が少ない調剤室しかない企業である場合は、薬剤師としてのスキルが身に付きにくい側面があります。
処方箋枚数がしっかり取れる企業であるかどうかも自身の今後のスキル面で重要な要素です。
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薬剤師の仕事をして思うこと
ドラッグストアで勤務していると、患者から薬の事で色々質問を受けますが、その質問の答えというものは、どの本や添付文書にも掲載されていない事が山ほどあります。
その場合は勿論メーカーに電話して確認する事もしますが、薬剤師自身が既に持っている知識から答えを予測して導き出し、それを患者に分かりやすい言葉で説明する技術が求められます。
つまり、答えがない事に対して回答を導き出す事も薬剤師ならではの一つの仕事と思います。
薬剤師になる人は勉強のできる人が多いですが、勉強して答えを見つけてある事しか答えられない人が散見されるのが残念です。
答えが見つけられない事であっても自分自身で頭を使って解を導く事こそ賢さと思います。
また、薬局業務では薬を間違えない事が肝要ですので、「多分、薬は合っているだろう」という楽観的な考え方は禁物です。
医師と同様に、患者の命に関わる仕事なので曖昧な考えや思いはなくし、気になったことは必ず調べて確実な情報を患者に伝えることが重要です。
薬剤師として働く上で大切なこと
- 本当に間違っていないのか疑って確認する姿勢
- 連携ミスによる過誤にならないよう薬剤師同士の的確な情報共有
- 一つ一つ念入りに
また、薬剤師は患者と医師の架け橋にもなるなと感じます。
それが板挟みに繋がっている辛い事も有りますが、患者が医師に聞けなかった事や話せなかった事を薬剤師が解決したり、医師に疑義照会したりして、医療を補完させる働きもあると感じています。
薬剤師だからと言って女性にモテる訳でもないですし、医師と患者の板挟みで辛い時もありますが、患者の安全を守る事が出来た瞬間はやりがいを感じます。
是非、超高齢化社会で医療人が必要な今、薬剤師を目指してみてはいかがでしょうか。