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目次
学芸員の資格
学芸員について、1951年施行の博物館法は「博物館に、専門的職員として学芸員を置く」と定めています。
よって学芸員は、博物館の専門的職員および、その職に就くための国家資格のことです。
博物館法で定められた博物館
- 美術館
- 天文台
- 科学館
- 動物園
- 水族館
- 植物園 など
学芸員の仕事
- 研究・調査
- 収集・展示普及
- 保存・管理 などの専門的職務
また、学芸員補についても、学芸員を補助する職として定めています。
学芸員の資格の取得方法
まず学芸員補については、学校教育法に基づいて大学に入学できる者(高校卒業者、高卒程度認定、大学入学資格検定の合格者など)は、学芸員補となる資格を有するとしています。
有資格者は、博物館に採用されれば、学芸員補になることができます。
大学で取得するための必要科目
学芸員資格取得にはいくつかの方法がありますが、ほとんどの場合大学で学ぶことが条件となっており、実質的には「大学で所定の単位を修得して、かつ大卒となる」方法が選ばれることが多いです。
その場合の必要単位は、下記となります。
自分の入った大学に学芸員養成課程があれば、そこで卒業までに単位を取るのが一番近道でしょう。
そうすれば、卒業と同時に学芸員資格を取得できます。
また、次のような場合でも、学芸員資格を得られます。
- 卒業して学士となってから、所定の単位を取る
- 卒業する大学と別の大学で、所定の単位を取る
チェック
学芸員の難易度
学芸員の資格を取るのは、総合的に見て、それほど難しくはありません。
最も一般的なのは、大学で必要単位を修得することですが、必要科目が開講されている大学は、全国に300校(4年制大学291校、短期大学9校)あります(平成25年)。
正規の学生にならなくても、科目履修生や通信課程の学生として履修できる大学もあります。
どこかに所属し、カリキュラムに沿って勉強すれば、自ずと単位が付与されるでしょう。
難しいのは、一定期間大学に所属して勉強するため、時間と費用がかかる所です。
また、座学だけでなく博物館に出向いての実習も必須なので、主体的な意欲が必要です。
学芸員になるための実習内容
学芸員になるためには、2週間程度博物館などにおいて、実際に職業を体験する必要があります。
博物館の実習においては、博物館を訪れたお客様たちに案内をするという業務があります。
来訪するお客様たちは子供からお年寄りの方まで、年代が様々なので柔軟に対応する姿勢が必要になります。
実習の身なので、わからないことはわからないときちんと伝え、博物館の職員の人に正しい答えを聞いてから答えるということが基本です。
お客様に対するサービス接遇のマナーが必要になるので、人と触れ合うことが好きという人がお勧めですが、立ち仕事が主になり実習が終わったあとは足がパンパンになります。
実習が終わったあとは、実習日誌を記入しなければなりません。
その日に学んだことなどを詳細に書かないといけないので、眠気との戦いになりますが、学芸員になりたいという気持ちがあるのなら避けて通ることはできません。
大学で学んだことを基礎にして、実際に書物や文献に触れてみると新しい発見があったりするので、実習はやってみると面白いです。
私が博物館で実習をしたときはイベントのお手伝いをさせていただくこともありとても勉強になりました。
実習で発掘を体験する項目で、遺跡で発掘を体験させていただく機会があり、出土した土器の整理などを任せていただきました。
土器を丁寧に洗い、土器の裏側に出土した場所や日時などを書き込むという作業を体験したのですが、貴重な体験をさせていただきとても充実した実習でした。
博物館以外での実習の実施
また、実習先は博物館だけではなく動物園や水族館でも、学芸員の資格は需要があり実習が設けられているのです。
動物園
実地で動物たちと触れ合うことで学ぶコースや、獣医を目指す人が獣医係として実習を行う臨床獣医コースなども設けられています。
水族館
水族館で実習を希望する場合は、魚類やクラゲ類などの、種族別に別れたコースが用意されており、その中から希望のコースを選ぶことになります。
水族館などにおいては、将来の就職先が水族館関係の仕事を希望する人を対象としているので、水産系の大学に通う学生を対象としています。
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学芸員の資格取得方法|博物館関係の就職に有利!資格内容を紹介
学芸員とは、博物館や美術館において、資料を収集保管、研究、展示などを行うのに必要となる資格です。 学芸員になるためには、大学や短大で必要科目を取得する方法と、学芸員資格認定試験に合格する方法があります。取得前の実習内容も紹介しています。
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学芸員はどういった仕事をするの?
学芸員の主な就職先
- 博物館
- 美術館
- 動物園
- 水族館 など
しかし、学芸員の募集は非常に少なく一つの施設に一人か二人の募集がある程度です。
私は以前博物館で勤務をしていたことがあり、資料の収集や整理などを行っていました。
イベントを開催する際に資料をどういう風に展示するか、どのような説明をすれば来訪するお客様にわかりやすく説明することができるか、などを考えて業務を行っていました。
収集した資料を劣化や虫食いから守り後世に文化を残していくということが最重要任務になります。
学芸員の仕事は専門的な知識が必要となるので、難しい仕事の一つといえると思います。
大学や実習で勉強はしてきましたが、実際の業務と勉強ではまた勝手が違い、仕事に就き始めた頃は本当に苦労をしました。
子供たちとのイベントも大事な仕事
地域の小学生が博物館に来て、子供たちに文化のことを伝えるという教育も博物館のスタッフにとって重要な仕事の一つです。
子供にどうやったら興味を持ってもらえるかということを考えながら、資料を作成することを心がけていました。
私が担当した回では昆虫の展示を見てもらったことがあり、世界の色とりどりの蝶や珍しいカブトムシの標本などを子供たちに見せてあげて、実際に説明をしてまわりました。
女の子よりも男の子のほうが興味を持ってくれたことを覚えています。
子供たちの中には文化に興味を持ってくれた子もいたので、充実感を感じることができました。
博物館同士で資料を貸し出しする機会も多く、展示する内容を変えて、特別展などを年に何回か開くことがありその調整なども行っておりました。
貸し借りをする資料は非常に重要な文化的財産なので最新の注意を払って保管に勤めました。
学芸員は仕事内容が一番の魅力です
学芸員という仕事の給料の水準はそれほど高くありません。
お金がたくさん欲しいという人であったら民間の企業に勤めたほうが多くの報酬をもらうことができると思います。
学芸員を目指す人は歴史や芸術が好きという人が多く、一日中文化的財産に触れ合っていることが苦にならないという人なら、適性があると思います。
私はすでに退職してしまいましたが、博物館で学芸員をしていたころは毎日が勉強の連続で非常に充実した毎日を送ることができました。
学芸員の仕事は貴重な文化的、歴史的財産を残していくという意義の深いモノなのです。
美術や歴史的財産に興味があるという人は学芸員という仕事に興味を持ってもらえたらなと思います。
学芸員の今後に期待して
学芸員の職は、欧米のキュレーターに倣って、博物館法で定められました。
しかし、欧米のキュレーターは大学教授相当の職能が認められているのに対して、日本の学芸員は運営の雑務も担わされ、一般職員とさほど立場が変わりません。
この現状が、運営者の学芸員に対する軽視につながり、学芸員採用を抑制する要因にもなっています。
しかし、日本でも文化・芸術に対する関心は高まっており、欧米のキュレーターの職能も徐々に知られてきています。
欧米のキュレーターに比する能力のある学芸員が求められ、その志望者が増えてくれば、運営者もそれに見合った待遇を用意し、採用数も増やしてくることでしょう。