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教員になるには?仕事内容や小学校・中学校での違い・給料・休日

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教員には多様な種類がありますが、今回は特に小学校と中学校の教員について考えてみましょう。

学校での役割は授業を行うことにとどまらず、生徒や保護者とのコミュニケーション、授業やテストの準備、さらに中学校では部活動の指導も含まれます。

この職業では対人関係が非常に重要ですので、メンタルの強化も欠かせません。小学校や中学校の教員を目指している方々は、ぜひこの点を参考にしてみてください。

 

教員になるには

大学で教養、専門の講義を受講し、大学3年生もしくは大学4年生で教育実習を行い、申請して教員免許状を取得します。
その後、各都道府県、政令都市が実施する採用試験を受験します。

一次試験

教養分野、専門分野の筆記試験

二次試験

実技試験、ピアノ、水泳、器械運動、陸上など

三次試験

論文、集団討論、面接、模擬授業

 

志願者は女性の割合が多い

試験は7月から8月にかけて行われます。

かつては教員を目指す人が多く、合格するのが非常に難しかったのですが、現在ではマスコミの影響もあり、教員志望者が減少しています。

そのため、都道府県によっては教員の人材が不足している状況です。

 

合格者の中には、大学時代にしっかりと勉強を重ねてきた女子大生が多い傾向があります。

特に小学校では、管理職を除くと男性教員が1人しかいない学校も存在します。

試験に合格すると、名簿に名前が載り、成績上位者から教員として採用されることになります。

本県では、大学から直接教員試験に合格する割合は約4割にとどまっています。

 

本採用までの過程

ほとんどの人が臨時採用講師として働きながら、2年から5年の間に採用試験に合格する道を歩みます。

最初の1年間は条件付き採用で、初任者研修が行われ、経験豊富な教員が指導にあたります。

 

さらに、さまざまな研修が用意されており、多くの課題や研究授業に取り組む必要があります。

その忙しさから、子どもたちと向き合う時間よりもパソコンに向かう時間が増え、ストレスが溜まることもあります。

このような状況で挫折し、辞めてしまう人も少なくありません。

 

優れた成績で1年間を乗り越えると、本採用の道が開かれます。

しかし、ここから一流の教員として信頼を得るためには、採用試験や初任者研修以上の努力が求められます。

自己研鑽を怠る教員は、サラリーマン教員と呼ばれ、子どもたちや保護者、同僚から冷たい視線を向けられることになります。

 

学校教員の仕事

学校の教員は、地方公務員であり、教育公務員でもあります。

任命権者は県教育長、服務監督者は市町村教育委員会です。

 

小学校

小学校の主な役割は授業を行うことであり、担任の先生がその責任を担っています。

しかし、高学年になると、理科、音楽、英語の授業は専門の教師が担当します。

授業の時間数は学年ごとに法律で定められており、それに基づいて週ごとの授業時間も決まっています。

小学校の1単位時間は45分です。

 

中学校

中学校では教科担任制が導入され、授業時間は小学校と同様に法律で定められています。

授業は50分間で、教員には授業以外にも校務分掌が割り当てられます。

具体的には、IC担当や人権教育担当、生徒指導、進路指導などの役割があります。

大規模な学校では一人一役が基本ですが、小規模な学校では一人が複数の役割を担うことが一般的です。

各担当者は校長の指導のもと、学校の目標に沿った部会の計画を立て、実行に移していきます。

 

部活動の実施

次に部活動についてお話ししましょう。

小学校には部活動はありませんが、中学校では野球部やサッカー部といった運動部、吹奏楽部や英会話部などの文化部が存在します。

教員は部活動の指導を担当する必要がありますが、専門分野が学校の事情によって担当できない場合もあります。

さらに、部活動の顧問になると、特に運動部では土日も大会や練習試合があり、休むことができません。

子どもたちには最低でも週に1回の休みが与えられますが、教員は平日しか休むことができないのです。

 

自分の好きな分野以外の顧問になってしまうと苦痛に感じるかもしれませんね。

 

部活動によっては、朝の練習が行われることもあり、勤務開始時間には影響しません。

大会が近づくと、朝6時から夜8時過ぎまで練習を行う場合もあります。

部活動を生きがいとしている教員もいますが、ほとんどの教員にとっては大きな負担となっています。

また、地域の行事やボランティア活動への参加も求められています。

 

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集団生活はトラブルと隣り合わせ

学校はトラブルが頻発する場所であり、子ども同士の問題や学校と保護者との関係において、生徒指導に関する課題に対して、時間を問わず、休日を返上して対応する必要があります。

教員は教育委員会や警察、医師、カウンセラー、児童相談所などの外部機関と協力しながら、さまざまな問題を解決しなければなりません。

このような多忙な状況は精神的なストレスを引き起こし、結果として精神的疾患で休職する教員も少なくありません。

 

色々な問題がある中で一つずつ解決していくのは精神的にも疲弊していきますね。

 

教員の研修

研修は上記の内容に限らず、他にも多くの機会があります。

教育公務員特例法に基づき、教員にとって研修は資質向上のための重要な義務です。

研修内容

  • 授業に関するもの
  • 生徒指導に関するもの
  • ITに関するもの など

学校の研修テーマに基づいて、学校内、教育センターなどの外部機関で実施され、研修は夏休み中に集中しています。

 

私が教員として従事していた仕事内容

私は管理職に就く前、教務主任や学年主任として校務分掌に従事し、生徒指導にも力を入れていました。

授業では数学を教え、教頭の時期には免許外で家庭科の授業も担当しました。

また、部活動では野球部の指導を行っていました。

 

教務主任の役割

校長が掲げた学校教育目標を達成するために、校長の指導のもと、教育課程を学校教育法、学校教育法施行規則などの法律に基づいて、学校や生徒、地域の実態を考慮しながら編成する

これを基にして、年間の計画や月ごとの行事、学期末の準備、そして時間割を作成します。

また、他の職員に業務を分担するため、事前に指示を出し、進捗を確認し、必要に応じてアドバイスや相談に応じる役割も担います。

 

学年主任の役割

学年主任は学年全体を取りまとめる仕事

大規模校の学年主任は、小規模校の校長ぐらいの力量がないと務まりません。

 

主な仕事

  • 生徒に対する指導
  • 学年に所属する教員の指導力向上
  • 相談相手
  • 管理職との報告・連絡・相談
  • 学年PTAの運営  など

学年主任の能力が高まることで、学年全体も成長を遂げます。

私自身、生徒指導主事としての経験があります。

この役割では、学校内外で発生する生徒の問題行動に対して、迅速かつ誠実に対応することが求められます。

 

該当する生徒の担任教師への支援や、警察、カウンセラー、児童相談所などの外部機関との連携を通じて、問題解決に努めます。

時には、解決の過程で保護者との関わりも必要となります。生徒指導の内容によっては、家庭訪問や外部機関との打ち合わせが発生するため、他の教員に比べて授業時数が少なくなっています。

生徒指導の実施状況は学校によって異なりますが、平和で落ち着いた環境の学校では、生徒指導主事の役割は比較的容易かもしれません。

 

教員はやることが盛り沢山

授業を行う前には、徹底的な準備を行います。

クラスにはさまざまな能力を持つ生徒が在籍しているため、彼らの興味や関心を引き出し、授業内容を理解できるようにするための教材や教具、発問、指示を工夫します。

 

最近ではITを活用した授業が増えており、そのスキルを向上させることも重要な要素です。

また、部活動は生徒自身の心身を鍛えるだけでなく、保護者との連携も欠かせません。

特に保護者との良好な関係が築けていないと、部活動の運営はスムーズに進みません。

 

中学校では部活動が生徒の成長に大きな影響を与えるため、その分野においても授業と同様に自己研鑽を続ける必要があります。

さらに、地域行事への参加やボランティア活動も重要な要素として位置づけられています。

 

教員の給料面・休日面

給料面

他の公務員と比べると、給料はやや優遇されていますが、残業手当は支給されません

子どもを対象とした職務であるため、教職調整額として月額給与の4%が毎月支給されます。

さらに、校務分掌や教務主任、学年主任、生徒指導主事、進路指導主事、保健主事などの多忙な役割には、学校の規模(学級数)に応じて、給料とは別に1日あたり200円が支給されます。

昭和時代の教員と比較すると、現在の教員の給料はかなり抑えられているのが現状です。

給料例

初任者:1か月230,000円程度

校 長:1か月に管理職手当込みで600,000円程度(校長の退職金は2,700万円程度)

 

休日面

教員が与えられる休暇

  • 夏休みの酷暑のための特別休暇が5日
  • 年次有給休暇が年間40日
  • 病気休暇
  • 産前産後の休暇

公務員の中でも特に、土曜日や日曜日に活動する人々がいます。

部活動の練習や大会、地域行事、ボランティア活動など、個人によって異なるものの、積極的に地域に貢献しているのです。

 

さらに、日曜日に学校に足を運び、事務作業や授業の準備を行う教員も多く存在します。

中には、小さなお子さんを連れて仕事をしながら、育児と仕事を両立させているお母さんやお父さんの教員もいます。

私自身も初任者の頃は、正月三が日を除いてほぼ毎日仕事に励んでいました。

 

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休みの取り方は個人によって違います

ほとんどの教員は年次有給休暇を十分に活用していないのが現状です。

授業日には休暇を取得できないため、夏休みの期間にまとめて休む傾向が見られます。

この時期には、日々の疲れを癒し、家族との時間を大切にしたり、リフレッシュを図る教員が多いのも事実です。

 

しかし、休日の過ごし方には個人差が大きいです。

地域のイベントやボランティア活動よりも、自分の用事や家族との時間を優先する教員もいれば、休日の部活動の練習を他の人に任せる教員もいます。

また、地域行事への参加に対して不満を持ち、管理職に訴える職員も各学校に数名存在します。

仕事に対してあまり真剣でないにもかかわらず、給与に対する不満を口にする人も少なくありません。

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