ホテルでの派遣勤務｜覚えることも不満も多いブラック企業での体験談

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ブラック企業で働いた経験はありますか？

私が在籍していた会社は、まさにその典型でした。

パワハラや圧迫感、給与に対する不安などが重なり、退職を決意しました。

ブラック企業での経験がある方も、まだその実態を知らない方も、こうした企業が存在することを理解していただければ幸いです。

派遣社員としてホテルで働いていた時のこと

約5年前のことですが、大学を卒業したばかりの頃、就職先がなかなか決まらず、将来について悩んでいました。

そんな折、大学時代の友人から、職場で人手が足りないので手伝ってほしいと頼まれ、派遣社員としてある会社に就職することに決めました。

その会社は、地域のホテルで行われる宴会や結婚式の披露宴などの給仕を行う業務を担当していました。

私はこのような仕事の経験が全くなかったため、実際に働けるか不安でしたが、会社と友人からしっかりとした研修があると聞いて、少し安心感を持つことができました。

入社後に約1ヶ月の研修で学んだこと

面接の際、人事部の方ともう一人の方（役職は失念しました）が対応してくれましたが、非常に穏やかな雰囲気で進行し、面接というよりもむしろ楽しいおしゃべりのようでした。

その結果、特に問題もなく無事に入社することができました。

入社後しばらくは、最初に説明を受けた通り、毎日研修に参加していました。

この研修は、私が入社した会社とは別のマナー研修を専門に行っている会社に依頼されていたため、毎日その別の会社に通っていました。

研修で学んだこと

ホテルでは色々な方が来られる中で、食器の配膳など素早くテキパキ動くことが重要です。

今思い返せば、そのマナー研修の講師が昨今テレビで見る誰かにそっくりなのですが、もしかしたらその人本人だったのかもしれません。

研修で一番大変だったこと

一番苦労したのは、マナー研修を行っている会社への移動でした。

研修を受ける会社は自宅からかなり離れていて、その当時は車を持っていなかったため、公共交通機関を利用して通っていました。

朝は6:30に家を出なければならず、満員電車に揺られながらの通勤は本当に大変でした。

後になって知ったのですが、研修期間中は交通費が支給されないことが判明しました。

入社前には交通費が支給されると聞いていたのに、研修中は支給されないと後から告げられたのです。

もちろん研修中も給料は支払われていましたが、基本給の2/3に減額されており、少し納得がいかない気持ちがありました。

それでも研修中ということで「仕方ない」と思っていました。

しかし、この時点で気づいていればよかったのです。

この会社が実はブラック企業であることに。

初勤務での出来事

一ヶ月間の研修を経て、ついに初めての勤務日がやってきました。

初勤務の日には、その地域のホテルで行われる宴会の給仕係として派遣されることが決まりました。

宴会は18:00から始まりますが、集合時間はその2時間前の16:00です。

その日は、私を職場に誘ってくれた友人と一緒に働くことになっていたので、少し安心感がありました。

１.会場のセッティング

その日はパーティー形式のテーブルセッティングで、全体の流れは比較的分かりやすかったのですが、重いテーブルなどを運ぶのはほとんど私の仕事でした。

各ホテルには派遣リーダーがいるのですが、そのリーダーはただ口を動かすだけで、実際には全く動かず、ホテルのスタッフとおしゃべりを楽しんでいるだけでした。

私と同じく初出勤だった新人社員が他に3人いましたが、彼らも同じような状況に置かれていました。

しかし、その中の一人の女性だけは異なり、リーダーやホテルスタッフとの会話に積極的に参加していました（少し可愛らしかったのも影響しているかもしれません）。

２.グラスや食器の設置

セッティングが無事に終わり、次はグラスや食器の配置に取り掛かります。

しかし、そこで思わぬトラブルが発生しました。

お客様用の食器は、セッティングの際に一度「乾拭き」を行う必要があります。

これは指紋などが付かないようにするためですが、拭いた後にホテルのスタッフが素手で再び触れてしまったのです。

「仕事の進捗を確認するため」と説明されましたが、明らかに意図的な妨害行為でした。

その結果、私たちは何度も食器を拭き直さなければならず、非常に手間がかかりました。

若い人が一生懸命仕事をしているのに嫌がらせをするような嫌な大人にはなりたくないものです。

３.宴会開始

宴会の準備を何とか時間内に終え、いよいよ宴会が始まりました。

その日、私はドリンクサーバーとして、小さなバースタンドに立ち、注文されたドリンクを作る役割を担っていました。

ビールや焼酎、ソフトドリンクといった種類は限られていましたが、宴会ということで注文が次々と舞い込み、初めての経験だったため、なかなか仕事が追いつきませんでした。

それでも何とかやりくりしていましたが、他の新人二人は配膳と下膳という給仕の基本的な仕事をしていたため、彼らの方がさらに大変そうでした。

宴会も終盤に差し掛かった頃、下膳の最中に新人の一人がホテルスタッフとぶつかり、スタッフが運んでいたいくつかのグラスが落ちて割れてしまいました。

会場は少し薄暗く、盛り上がっていたため、宴会自体には大きな影響はありませんでしたが、新人の彼はスタッフに裏に呼ばれ、厳しく叱責されることになりました。

決して彼だけの過失ではないと思いますが、それでも彼の責任として扱われてしまったのです。

宴会終了後

宴会は無事に終了し、残る作業は片付けだけとなりました。

主な作業はテーブルクロスの撤去と椅子やテーブルの収納でしたが、またしても重い物の運搬は新人の私たちだけに任され、グラスの件もあったため、ホテルのスタッフからは新人の連帯責任として扱われ、かなりの負担を強いられました。

すべての作業が完了したのは23:00でした。

最初は22:00までの予定だったのに、予定通りに終わらなかったことを私たちのせいにされました。

そして、ホテル側から会社に対して、1時間の超過分は給料を支払わないと伝えるように言われました。

自分たちが仕事をしなかった上に、終業が遅れたことを私たちの責任にされるのは納得がいきませんでしたが、初めての出勤ということもあり、仕方なく目をつぶることにしました。

派遣社員に責任を背負わせるブラック会社

派遣会社での経験は、時給制（1100円/時間）で1時間分の無給労働が非常に厳しかったと感じています。

その後も出勤を続けましたが、待遇に一切の改善は見られませんでした。

さらに、私に仕事を紹介してくれた友人は、すぐにその会社を辞めてしまいました。

何度か出勤する中で「ここはかなりブラックなのではないか」と思うこともありましたが、他に働く場所がなかったため、その時は会社に自分の気持ちを伝えることができませんでした。

弁償代を給料から天引きされていた

給料日になり、明細を確認したとき、驚くべき事実に気づきました。

明細に記載されている給料が、自分たちが計算した金額よりも明らかに少ないのです。

この状況には納得がいかず、会社に問いただすと、これまでの宴会で壊れたホテルの備品の弁償費用が私たちの給料から差し引かれていることが判明しました。

この瞬間、私はこの会社がブラック企業であると確信しました。

この不当な扱いには耐えられず、入社からわずか一ヶ月半で退職を決意しました。

さらに驚くべきことに、退職の意向を伝えた際に、「友達を紹介してほしい」と頼まれました。

この時点で、ようやくこの会社の真の姿が見えてきました。

早々にブラック企業を退職

私と同じタイミングで入社した新人も、同時に退職を決意しました。

この会社はずっとそのような運営をしているため、長く働いている社員はほとんどいないのかもしれません。

ホテル側は、使い捨ての雇用者が来たとしか思っていないのではないでしょうか。

そのようなホテルが存在するとは知りませんでしたが（その地域ではかなり有名なホテル）、絶対に利用することはないと決めました。

退職後、他の友人からの誘いで新たな仕事を得るためにその土地を離れましたが、最近訪れた際に、その会社が消えているのを見ました。

潰れるだろうとは予想していましたが、実際にそうなったのを目の当たりにすると、やはり驚きました。