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海上保安庁での職務は、海の安全を確保するために非常に大切な役割を果たしています。
採用試験を経て、海上保安学校で多くの知識を身につけた後、晴れて海上保安官としての道が開かれます。
今回は、海上保安官の具体的な業務についてご紹介したいと思います。
目次
海の治安を守る仕事
日本は島国であるため、国土は他の国と比べて小さいですが、領海や排他的経済水域を含めると、その海域は世界的にも広大であり、日本の法律によって管理されています。
この海域の安全を守るために、日本には海上保安官という国家公務員の職業があります。
海上保安庁に入るためには、基本的に海上保安学校または海上保安大学校を卒業することが求められ、入学には国家三種レベルの試験を受ける必要があります。
海上保安庁の採用試験に挑戦
私は以前、警察官になって事件の捜査をしたいと考え、警察官採用試験を受けましたが、残念ながら不合格でした。
その時、偶然テレビで「海上保安官24時」という番組を見て、海上での犯罪捜査を行う組織として海上保安庁が存在することを知りました。
海での事件に直接関わることはできなくても、海上での捜査に携わる仕事に興味があり、海上保安庁の採用試験を受けることに決めました。
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海上保安官になるための試験・面接
試験は1次試験と2次試験に分かれています。
1次試験
- 国家Ⅲ種レベルのマーキング式の筆記試験
- 論文(受験した年は、政治・時事に関する事項についての自分の意見を記載するものでした。)
2次試験
- 面接試験
- 身体測定
- 体力試験
一次試験に合格すると、管区の海上保安本部に合格者が集められ、次の二次試験を受けることになります。
面接試験では、海上保安官を志望する理由や、集団生活に対する自分の考えについて質問されました。
海上保安庁では巡視船での勤務があり、日帰りの航海もありますが、長い場合は1か月以上も船上で24時間、職場の仲間と生活しなければなりません。
そのため、他の職業とは異なる特有の勤務体系があるため、集団生活に対する考えを尋ねられたのだと思います。
このように、面接試験では海上保安庁の勤務環境に関連する質問が多く、ネガティブな内容を答えることは避けるべきだと言えます。
船上での生活は勤務と密接に関連しており、常に緊張感を伴いますが、それが逆に海上保安庁の仕事を学ぶ良いチャンスだと考えています。
たくさんの仕事を覚えて、海上保安庁の業務に全力で取り組みたいと思っています。
このように、面接ではポジティブな姿勢で答えることが大切です。
採用試験合格後の進路
採用試験に合格後、海上保安学校か海上保安大学校に行き、それぞれの課程を勉強していきます。
海上保安学校・海上保安大学校では、勉強する内容も違います。
海上保安学校
海上保安学校は京都府舞鶴市にあり、海上保安庁の各分野における専門の職員を養成する教育機関です。
以下の課程に分かれており、この過程の中から選択します。
海上保安学校
- 船舶運行システム課程・・1年
- 情報システム課程・・2年
- 管制課程・・2年
- 海洋科学課程・・1年
- 航空課程・・1年
学校での生活規則は厳しく、女性である私は、方にかからない程度に髪をバッサリ切らないとならず、先輩学生と衣食住全て共同で生活をしないとならなく、辛いこともありました。
海上保安大学校
海上保安大学校は広島県呉市にあり、海上保安庁の幹部職員を養成する教育機関です。
本科を4年間学び、その後専攻科を9ヶ月学びます。
本科・・・航海、機関、情報通信の各専門分野に分かれて学ぶ。
専攻科・・・遠洋航海実習、実務教育などを受ける。
厳しい訓練を乗り越えることで、立派な海上保安官としての重要な役割を果たすことができ、心が躍る瞬間が訪れるでしょう。
各課題は真剣に取り組むべきものであり、一つ一つの課題に対して真摯に向き合う必要があります。
海上保安大学校での1日のスケジュールは、次のようになります。
1日の流れ
- 朝6時30分に起床・整列点呼
- 朝7時10分に朝食
- 朝8時20分に課業整列
- 朝8時45分から授業
- 昼12時~昼食
- 昼13時~授業・体育部活動
- 夕方17時15分~夕食、入浴、自習時間・外出
- 22時15分帰校門限
- 22時30分~消灯巡検
と言う形になっておりますので、私たちは、しっかりと仕事として課業に取り組む必要があります。
海上保安大学校の良い点は、学生でありながらも実際の仕事に従事できることです。
勉強をしながら毎月の給料を受け取り、半年ごとにボーナスも支給されるため、親に経済的な負担をかけることなく、海上保安官を目指して全力で学ぶことができます。
これらの過程を経て、海上保安官として任官されます。
海上保安学校を卒業すると、現場に出ることになりますが、ほとんどの海上保安官は最初に巡視船の乗組員として配属されます。
そのため、一般公開の際に巡視船の構造を詳しく理解する必要はありませんが、船の基本的な造りについて「こんな感じかな」と覚えておくと良いでしょう。
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体験航海では、実際に巡視船を出港させるため、海上保安官がどのように作業を行っているのかを観察することができ、これは貴重な学びの機会となります。
海上保安学校では、船舶に必要な無線通信の免許や、船を操縦するための海技士免許を取得するための学習が行われるほか、海上での警察組織として、日本国憲法や刑法、刑事訴訟法などの法律についても学びます。
海での仕事は泳ぎが必須で、夏には約5キロメートルの遠泳訓練が行われます。
また、平泳ぎの技術を徹底的に磨くことが求められ、さらに50キロメートルの行軍や登山などの訓練も実施されます。
海上保安庁には多様な職種があり、巡視船での勤務だけでなく、陸上の海上保安部や全国11の管区を統括する本部での役職もあります。
巡視船での業務は、朝に船内を掃除した後、取り締まりのために車で沿岸を巡回したり、出港して海上での取り締まりを行ったりします。
日本の海を守る海上保安官の仕事内容
海上保安官の主な役割は、簡単に言うと海の警察官です。
確かに、海上自衛隊が防衛出動することもありますが、それは国同士の戦争の危機的な状況を意味します。
その前に、海上保安官の仕事は、日本の領海を守ることです。
以前、海上保安庁の巡視船に対して、韓国や中国の船が発砲や威嚇を行った事例がありました。
日々の巡視活動を通じて、日本の領海に侵入しようとする行為を未然に防ぐことができるのです。
主な海上保安庁での業務
- 治安を守るための取締り
- 海難救助
- 海図作成のための海底地形調査
- 船舶交通で必要な灯台や航路標識の保守管理 など
海の地形を調査する巡視船は、海上保安庁の中でもわずか二隻しか存在せず、他の巡視船は主に警備や救助活動を行っています。
巡視船が出港すると、一般の商船と同様に4時間ごとに当直を交代し、例えば0時から4時の当直を担当した場合、その12時間後の12時から16時にも当直を行うことになります。
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海上自衛官と同様に、国家公務員としての立場が与えられます。
巡視船に乗り込み、海上での犯罪を防ぎ、取り締まり、領海を守ることが主な任務です。
そのためには、まず厳しい集団生活に耐える必要があります。
海上保安官の当直パート
当直は主に三つのパートの分かれています。
当直の主なパート
- 船の見張りや操縦といった仕事を行う航海科
- エンジンの管理をする機械科
- 無線通信を行う通信科
- 巡視船内で食べるご飯を作る主計科
私は主計科に所属していましたが、主計科の仕事は朝食から夕食までの食事を作ることです。
そのため、航海科のように4時間ごとの当直体制ではなく、朝から夜までの食事の準備が主な業務となります。
規則正しい生活を送ることができたので、寝起きも良かったですが、当直体制のある科は夜間も起きていなければならず、大変そうでした。
24時間体制の大事な仕事
当直だけを行うわけではなく、仮に海の上で海難救助を行う場合は、当直に関係なく仕事を行います。
船を操縦して当直を夜中にしようが朝4時から当直を行なって、その後に海難救助現場に到着すれば、当直を終えたあとも海難救助作業を行わなければなりません。
治安対応の時は勤務時間なんて関係なく24時間でも仕事をするということになります。
海上保安官の給料・手当て
給料は海上保安学校で訓練を受けている時から貰えます。
学校での訓練生段階では給料は13万円程度ですが、現場に出れば手取り20万円ほど貰えるようになります。
海上保安官は国家公務員ですから、給料も勤務経験が長いと昇給していきます。
巡視船に乗って出港すると一日毎に航海手当が付きます。
(1日に何度も出港をしたとしても、航海手当は日当としてしか支給されないため、仮に一日に複数回出港しても、出港回数×航海手当とはならないので注意が必要です。)
私は結婚を機に海上保安官を辞めましたが、職場復帰の道も開かれているので、出産した子供が成長し、自立するようになったら、出来るのであれば海上保安官に復帰したいとも考えています。
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海上保安官はの休みはシビア
休みは他の公務員と同様、一応4週8休が割り振られていますが、事案があれば関係なく仕事となり休みは後日に繰り越されます。
年末年始等の一般的な休みの日も、領海警備等の業務は関係なく行わないといけない仕事ですし、事案発生時であれば関係なく海に出て仕事をします。
なので、一度出港してしまうと計画していた休みのプライベート行事が頓挫してしまうなんてことも。
お子さんがいる海上保安官の方であれば、子供の夏休みや冬休みに合わせて休みを取ることはなかなか難しい仕事なのは確かでしょう。
女性職員としても働ける海上保安官
海上保安大学校には、男性寮と女子寮があり、それぞれが分けられており、厳正に勤務することができます。
女性としての活躍が期待される場面では、昭和63年には初の巡視船艇の女性船長、平成12年には初の女性パイロット(機長)、さらに平成29年には初の海上保安部長が誕生しました。
そのほか、本庁・管区本部等の係長、国際取締官、整備員など女性の活躍する職域は、広がってきています。
海上自衛隊におきましても、初の女性艦長が登場する等、これから先の未来で女性の活躍が描かれることは間違えないと言えます。
これだけ女性のキャリアアップが目覚ましい中での女性の隊員は、海上保安庁の定員約14,000人でそのうち女性職員は約1, 000人です。
入学後の教育・訓練・卒業後の進路、キャリアアップについて男女の差異はなく、全国各地の巡視船艇、航空機、海上保安部等で勤務しています。
また、女性についても活躍の場所が多く設けられており、花形である総務部総務課でデスクワークをしている保安官の方も居られます。
以下のページを参照して頂きたいのですが、現場での第一線で保安官としてバリバリ勤務される女性の方と対照的に、事務職として優雅に仕事をされている女性もおられます。
現場志向の女性でも、事務志向の女性でもどちらの女性にも受け入れて頂きやすい現場であることは間違いありません。
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第四管区海上保安本部の総務課企画係の方の勤務スタイルで言えば、完全な事務職なので、海上保安業務資料の収集・整理、各種イベントの企画・調整等、広報に関することを行われています。
外部との接触も多い仕事で、交渉等の仕事も入ってきます。
また嬉しい情報もあり、海上保安庁の業務は、ご覧のとおり多種多様で、陸上職員としても船艇職員としても今は様々な配置で女性が活躍しています。
ちなみに、妊娠中は乗船勤務が出来ず、出産までは一時的に陸上勤務となり、その後も陸上職員として一定期間育児休業等の制度を利用し、育児に専念する事も可能です。
育児休業というと女性職員が取得するものとのイメージが根強いですが、今では男性職員も取得を促される風潮となっており、当庁職員同士で結婚したとしても、互いに助け合える環境作りが構築されています。
ですので、陸上船員としても、女性としては、必要とされる現場が多数ありますので、そこのポジションを狙うと言うのも一つの勤務の有り方ではないでしょうか?
国家公務員なので、育児休暇や育児休業等もしっかりサポートしてくださいます。
現在では日中間での尖閣諸島問題が浮上していますが、この警備対応に当たっているのも海上保安庁です。
まさに国際問題の最前線で日本を守っているわけですから、海上保安庁という仕事にやりがいを持てるのではないかと思います。