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金融機関志望だった私は大学卒業後、損害保険会社に勤めていました。
自動車事故対応は、事故を起こした側、事故の被害にあった側、両者がいる場合の対応は本当に大変です。
慣れてくると臨機応変に対処できてきますが、それまでは日々経験です。粘り強い人・対応能力の強い人にはおすすめかもしれません。
目次
第一志望だった損害保険会社の仕事
就職氷河期と言われた時代に、安定して長く働ける会社・福利厚生が整っている会社・ワークライフバランスがしっかりしている会社という観点から金融業界を中心に就職活動をしていました。
私が志望した会社
- メガバンク
- 大手生命保険会社
- 損害保険会社
- クレジットカード会社
中でも第一志望は損害保険会社でした。
理由は、全国転勤型総合職と地域限定型総合職の2つだけのコースに分かれていたからです。
国立大学を出てそこそこ学歴はある私は少しの無駄なプライドがあり、銀行の一般職になることに抵抗がありました。
今思うとなぜそんなこだわりを持っていたのかはよくわかりませんが、総合職・一般職という名前に重きを置いていたのだと思います。
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損害保険会社での勤務
名前は総合職として人に言えるように働きたい、でも仕事内容としてはできるだけ一般職に近いような内勤がしたいというわがままで、それを叶えてくれたのが損害保険会社でした。
銀行と違い支店も少ないので、高層ビルで働ける可能性も高かったのです。
高層ビルで働くOLになりたかった私にはもう損害保険会社しかないと思っていました。
損害保険会社の総合職は2つのコースに分かれていますが、一般職のコースは存在しません。
すなわち、地域限定総合職というのは名ばかりで、実際の内容は一般職と変わらないのではないかという甘い発想です。
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入社してみて分かる内情
実際に入社してみると、やはり私の思惑通りでした。
地域限定総合職というのは、一般職がここ数年で名前が変わっただけであり実際の業務内容の変化まではまだ会社が追い付いていない状態でした。
地域限定総合職は月給はそこまで高くありませんが、賞与がかなり多いので年収は同世代の中ではもらっている方かと思います。
有給もかなりフレキシブルにとれて、基本的に個人で働く業務内容なので、残業も自分がしないようにすれば早く帰れます。
損害保険会社での私の配属先
そんな中で私が配属されたのは、自動車事故の対応部署でした。
仕事内容
交通事故にあったお客様やお相手と電話で話をし、示談交渉をしていく。
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入社後の研修
研修内容
電話応対のスキル向上のための研修
その頃は、てっきり電話応対の丁寧さや慣れがすべてかと感じてしまいました。
実際に自動車同士の事故を対応していくと、毎日罵声を浴びせられる日々でした。
事故にあったお客様はとても不安な気持ちでいることを理解した上に極力丁寧に寄り添った対応を心がけましたが、お相手が存在する事故となるとすべてがお客様のご要望通りに解決できることばかりではありません。
一体どっちの味方なのか、なぜこちらにも否があるのか、本当に話を聞いていたのかと叱責を受けることもよくありました。
ただ、お客様には保険料もいただいているということも忘れずに、ご納得いただく必要があるところについては細かく説明をし、それでもわかってもらえないようであれば面談や文書での説明を申し出ました。
損害保険会社で大変だったこと
事故の相手方との交渉
自動車保険に加入してくれていれば保険会社同士で交渉したり、弁護士委任したりと解決方法はいくつでも検討できます。
でも中には、無保険の方も結構いらっしゃるのです。
私はこの仕事をするまで無保険の自動車が道を走っているなんて思ってもみなかったので、その多さに驚きました。
意図的に保険に入っていない人、保険がきれていることに気づいていなかった人、保険契約を失念していた人など理由は様々です。
そのような方々は保険でお金がもらえるわけでもなく、実費で支払う必要があると思うとお金への執着はすごかったです。
これまでの人生で聞いたこともないような大声で怒鳴られ、お前の家まで行くとまで言われた日には泣きながら怯えて帰りました。
実際に何かをされるという経験はありませんでしたが、そのようなことがあってもおかしくないような仕事内容だと感じました。
私の就職活動の軸は、あくまで働く条件的なところを重視しており業務内容はあまり気にしませんでした。
待遇が良ければ多少しんどい仕事も耐えられると思ったからです。
時間が経つと慣れてくる
入社して3年が経った頃、ようやくその考えは間違いではなかったと思えるようになりました。
不思議なもので、怒鳴られるのも慣れてきますし言い返す言葉もすらすら出てくるようになります。
人格形成という観点ではこの慣れがいいものであるかどうかは疑問ですが、やはり私は自己分析が良くできたうえで就職活動ができていたのだと時間が経ってから理解することができました。